公判について

最終更新日:2020年2月21日

刑事裁判での検察官の役割は何ですか?

刑事裁判での検察官の役割

 真実の立証・適正な公判手続の確保や迅速で適正妥当な科刑の実現を,裁判所に求めるという役割があります。主として次のような手続を行います。

  1. 起訴状朗読    
  2. 冒頭陳述    
  3. 証拠調べ請求    
  4. 証人尋問等の立証活動
  5. 論告求刑

公判前整理手続とは何ですか?

 裁判の充実・迅速化を目的として,裁判が始まる前にあらかじめ事件の争点,裁判に提出する証拠等を整理し,明確な審理計画を立てる手続のことをいい,裁判員制度が適用される事件はすべて公判前整理手続が実施されることになります。
 この手続により,具体的な審理計画が立てられることから,判決まで連日的な開廷が可能となり,裁判が比較的短期間で終了するため,裁判員として裁判に参加していただく方々の負担も軽減されることになります。

冒頭陳述とは何ですか?

 証拠に基づいて証明しようとする事実を述べることを言います。検察官が冒頭陳述を行うことによって事件の全体像が明らかになるため審理の対象が明確になり,被告人側に対して防御の範囲を知らせることができます。

「証人尋問」とはどのようなものですか?

 事実関係に争いがある場合などにおいて,裁判官や裁判員の面前で被害者や重要な参考人に,直接証言をしてもらう手続をいいます。

論告求刑とは何ですか?

 検察官が提出した証拠により裁判所がどのような事実を認定し,どのような罪名で,どのような刑罰を科すべきであるのか,検察官が裁判所に対してする最終的な意見の陳述のことをいいます。

裁判は,どのようにして終わるのですか?

 判決又は決定で終了します。どのような場合にどのような判決又は決定が下されるかを,次の表に示します。
 

判決又は決定の種類 場合
判決 有罪 (刑訴法333条) 犯罪の証明があったとき
無罪 (刑訴法336条) 被告事件が罪とならないとき,犯罪の証明がないとき
管轄違い(刑訴法329条) 被告事件が裁判所の管轄に属しないとき
免訴 (刑訴法337条)
  1. 確定判決を経たとき
  2. 犯罪後の法令により刑が廃止されたとき
  3. 大赦があったとき
  4. 時効が完成したとき
公訴棄却(刑訴法338条)
  1. 裁判権を有しないとき
  2. 刑訴法340条の規定に違反して公訴が提起されたとき
  3. 公訴提起があった事件について,さらに同一裁判所に公訴が提起されたとき
  4. 公訴提起の手続が規定に違反したため無効であるとき

移送(刑訴法19条,332条) 簡易裁判所が地方裁判所において審理するのが相当であると認めるとき
公訴棄却(刑訴法339条)
  1. 起訴状謄本が送達されないことにより,公訴提起が効力を失ったとき
  2. 起訴状に罪となるべき事実が包含されていないとき
  3. 公訴が取り消されたとき
  4. 被告人が死亡又は被告人たる法人が存続しなくなったとき
  5. 刑訴法10条,11条の規定により審判してはならないとき
    

裁判を傍聴したいときには,どうすればいいのですか?

傍聴

 裁判は,原則として公開されていますので,裁判所へ足を運べばいつでも傍聴できます。
 しかし,世間の耳目を引いた事件などは,傍聴希望者を対象に抽選を行い,傍聴券の当たった方のみの傍聴となることもあります。

即決裁判手続とは何ですか?

  • 即決裁判手続とは,殺人,放火等の重大な事件を除き,事案が明白で軽微な事件について,被疑者の同意に基づき,検察官が起訴と同時に申立てを行い,簡易,迅速な手続により審判が行われる制度であり,平成18年10月からの刑事裁判の新しい手続として始まりました。
  • 公判期日は,できる限り起訴後14日以内に開かれ,通常の手続よりも簡略な手続により証拠調べが行われた上,原則としてその日のうちに判決が言い渡されます。
  • 判決で懲役刑又は禁錮刑が言い渡されるときは,必ずその刑の執行猶予が言い渡されます。
  • 被告人は,判決に対し,事実が間違っていることを理由として控訴することはできません。
  • 被告人は,判決言い渡しまでに希望すれば,通常の手続に従って審判を受けることができます。
  • 被疑者は,即決裁判手続により審判を受けることについて同意するかどうか明らかにしようとするに当たり,貧困その他の理由により弁護人を選任することができないときは,裁判官に対して国選弁護人を付けるよう請求することができます。

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