1 組織的な犯罪等において、首謀者の関与状況等を含めた事案の真相を解明するためには、組織内部の者から供述や物証を得ることが必要不可欠である場合が少なくありませんが、そのような事案の解明に資する供述等を得ることを可能とする証拠収集方法として、平成30年6月に施行された合意制度という制度があります。
合意制度とは、弁護人の同意がある場合に、検察官と被疑者・被告人との間で、被疑者・被告人が他人の犯罪について証拠収集等への協力をし、検察官がその者の処分の軽減等を合意できるという制度です。
例えば、被疑者・被告人が首謀者や上位者にあたる共犯者に関する情報や証拠を持っていて、これら共犯者について真実の供述をしたり、これら共犯者の犯罪への関与を示す証拠を提供したりできるのであれば、その情報や証拠の重要性も考慮した上で、検察官がその者の事件につき不起訴処分や特定の求刑等をする合意をすることができます。
もちろん、合意制度を利用するためには、その者の事件についての処分の軽減等をしてもなお、首謀者や上位者に当たる共犯者の刑事事件の捜査・公判への協力を得ることについて、国民の皆様の理解が得られる場合でなければならないと考えていますし、当該犯罪に遭われた方々の処罰感情等にも十分に配慮する必要があると考えています。また、検察官は、合意するかどうかを検討するに当たり、その者の首謀者や上位者にあたる共犯者に関する供述について、裏付け証拠が十分にあるなど積極的に信用性を認めるべき事情があるかどうかなどを慎重に判断することになります。
2 合意制度の対象となる犯罪は法で定められており、例えば、贈収賄、詐欺、脱税、覚醒剤の営利目的譲渡等が対象となります。
3 組織的な犯罪等に対しては、厳正に対処し、警察と緊密に連携しつつ、首謀者や上位者の関与状況等を明らかにした上で、それらの者が果たした役割や責任に応じた適切な処罰、犯罪収益の的確な剥奪を実現するように努めていきたいと考えており、その一環として、組織的な犯罪等の事案の解明に資する供述等を得ることを可能とする証拠収集方法である合意制度も活用していく方針でいます。
(R7年11月掲載)






