初又 且敏(はつまた かつとし)
略 歴
平成10年 4月 東京地方検察庁 検事任官
令和 4年 4月 那覇地方検察庁 次席検事
令和 6年 4月 さいたま地方検察庁 特別刑事部長
令和 7年 4月 大阪地検堺支部 支部長
令和 8年 4月 現職
最終更新日:2026年11月2日
初又 且敏(はつまた かつとし)
略 歴
平成10年 4月 東京地方検察庁 検事任官
令和 4年 4月 那覇地方検察庁 次席検事
令和 6年 4月 さいたま地方検察庁 特別刑事部長
令和 7年 4月 大阪地検堺支部 支部長
令和 8年 4月 現職
宮崎地方検察庁検事正の初又且敏(はつまた・かつとし)と申します。どうぞ、よろしくお願いします。当地検のホームページを閲覧いただき、ありがとうございます。
宮崎県は、温暖で風光明媚な土地、そして、歴史と神話に彩られた、いわば「日本人の心のふるさと」です。この地で勤務できることを大変光栄に思うとともに、この地の検察組織を率いるものとして身が引き締まる想いです。
検察庁は、この素晴らしい土地に暮らすみなさま、そして、この地を訪れる様々な方々の安全、安心な暮らし、そして、日々を守る役割を担っています。
その役割をしっかりと果たしていくため、検察庁の職員の能力と経験を結集し、警察等の捜査機関、自治体を始めとする様々な団体や個人のみなさまと協力して、適正で公正な捜査・公判、そして、裁判の執行といった私たちの任務に着実に取り組んでまいりたいと思います。
ところで、宮崎県も、他の都道府県同様、狡猾な手口による特殊詐欺等の事件や匿名・流動型犯罪グループ(いわゆる「トクリュウ」)によると考えられる事件が発生しています。私ども検察は、こうした犯罪に対し、厳正に対処してまいる所存です。そして、こうした事件を防ぎ、撲滅していくため、この地で暮らすみなさまにも、ご理解やご協力をお願いしたいと思います。特殊詐欺の手口の多くは、唐突な金銭の要求や電話等を通じた送金要求というものです。そして、電話をするなどして接触してくる犯罪者たちは、時に、私ども検察や警察、あるいは、弁護士といった専門家を名乗り、みなさまをだまそうとしています。私たち捜査・司法関係者がいきなり電話で金銭の支払いや送金等を求めることはありません。こうした電話、連絡を安易に信用することなく、疑いがあれば、遠慮や躊躇をすることなく、捜査機関、あるいは、家族や近しい方々等に相談いただきたいと思います。また、「トクリュウ」と呼ばれる犯罪集団は、SNSを通じるなどして、良いお金になる仕事があるなどといって一般の人々を犯罪に誘い込もうとしています。こうした誘惑にも注意が必要です。「甘い話には裏がある」という言葉もあります。ぜひ、一歩立ち止まってよくお考えいただき、また、身近な人に相談してほしいと思います。宮崎で暮らすみなさまが、犯罪に巻き込まれることがないよう、私ども検察庁も、様々な機会を通じて、防犯対策等のために必要な情報発信をしてまいります。そして、みなさまと力を合わせ、お天道様が明るく照らすこの「日向の国」が犯罪のない、安全で安心して暮らし、過ごすことができる場所であるよう、私ども検察は、職務を果たしてまいりたいと思います。
卓上の印鑑箱から伝統工芸品まで~広がる刑務作業品の世界~
刑務所等の矯正施設では、被収容者の改善更生のため、小物から家具まで様々な製品を製作する作業が行われてきました。昭和61年3月には、より広く親しめるブランド名としてCAPIC(キャピック)と名付けられて商標登録がされ、製品は、全国で行われる矯正展や即時販売会等で販売されています。売上額の一部は、犯罪被害者支援団体の活動支援に充てられているのだそうです。
私の執務室の机上には、木製の印鑑箱(印鑑入れ)があります。箱の底には「銘木 屋久杉」と刻印されており、年々、木目が良い味を出しています。この印鑑箱は、ずいぶん前に全国矯正展で購入したもので、確か「宮崎刑務所製」でした。同刑務所は、令和8年4月から鹿児島刑務所に統合されましたが、宮崎刑務所では、地元の銘木である飫肥杉(おびすぎ)を使った印鑑箱も作られていたと聞きました。以前視察をさせていただいた北海道の網走刑務所では、受刑者が広大な農園で野菜作りをし、黒毛和牛を育てていました。このように作業は、農畜産物にも及んでいます。また、佐賀県の麓刑務所では、佐賀錦、岐阜県の笠松刑務所では、七宝焼といった伝統工芸品が刑務作業品として作られており、後継者の少ない伝統文化の技能承継にも大きな役割を果たしていると言われています。新型コロナウイルスの感染拡大時には、不足していたマスクや医療用ガウンの製作も行われました。刑務作業は、人々の日常生活を支え、愛される品々を多数世に出しているほか、伝統工芸の技術承継や公衆衛生に至るまで実に幅広い分野で大きな役割を果たしてきたといえると思われます。
ところで、令和7年6月1日には、改正刑法が施行され、懲役及び禁錮に代わり、新たな刑として拘禁刑が創設されました。拘禁刑は、個々の受刑者の特性に応じたきめ細かな処遇を実施し、効果的な改善更生と、円滑な社会復帰を図ることが目的とされています。それに伴い、矯正施設では、作業と指導を柔軟かつ適切に組み合わせた処遇が工夫され、また、受刑者自身にも作業の重要性を十分に理解させるといった取組が進められているそうです。拘禁刑導入によって、刑務作業の重要性は従来以上に高まっているといえそうです。
このコラムをご覧いただいたみなさまが、刑務作業品を通じて刑務所等矯正施設の果たしている役割、そして、捜査から裁判、矯正、保護と続く刑事手続について関心を寄せていただきましたらありがたく思います。