職員からの一言

最終更新日:2018年7月10日

 岡山地方検察庁職員からの一言を随時掲載します。

検事という仕事

 私は,検事という仕事に就いて3年目になります。
 今回は,私の少ない経験の中で感じたことについてお話ししたいと思います。
 検事の基本的な役割は,(1)事件の真相を明らかにして,被疑者(世間で言われる容疑者)を起訴(裁判にかけること)するか不起訴にするかを判断し,(2)起訴された事件の裁判では,被告人(起訴された被疑者のこと)に適切な刑罰を受けてもらうため,的確な立証活動をすることです。
 まず,(1)の役割,つまり捜査活動についてお話しします。
 捜査とは,証拠を集めて事件の真相が何であるのかを探求することです。
 そもそも,本当に事件が発生しているのか,被疑者は本当に犯人と言えるのか,犯人と言えるとして,どの罪に当たる行為をしたのかを証拠を集めながら吟味し,被疑者が特定の罪に当たる行為をした犯人であると証拠上明確に言える場合に初めて起訴するという判断ができるのです。
 証拠を集める際には,犯人と同じ視点に立って考え,犯人であればどんな行動をとるのかを予想し,こんな証拠があるのではないか,あんな証拠があるのではないかと考えることもありますし,被疑者をはじめ被害者の方や目撃者の方から直接話を聞いて,その話が真実であることを確かめるという視点に立って捜査をするということもあります。
 その際,事件を担当する検事は基本的に1人ですから,検事が全ての捜査を行うことはできません。
 そこで,警察と協議し,警察官に依頼して証拠を集めてもらうこともあります。
 この意味では,検事はプレーイングマネージャーと言えます。
 ここで,立会事務官と呼ばれる検察事務官との関係についてもお話しします。
 立会事務官は,検事の相棒であり,立会事務官なくして検事の仕事は務まりません。
 検事も,捜査や処分の方針に悩むことは当然ありますから,そのような場合には,立会事務官と共に悩み,話し合うこともあります。
 取調べをする際には,検事の隣で被疑者などから直接話を聞き,本当のことを言っているだろうか,証拠と合っているのだろうかなどと意見を交えながら捜査するのです。
 検察事務官も法律上捜査権限を与えられた捜査官の一員なのです。
 検事は,このように警察や立会事務官と一緒に協力しながら捜査しています。
 次に,(2)の役割,つまり公判活動についても簡単にお話しします。
 刑事裁判では,被告人が有罪であることを証明する全責任は検察官にあります。
 そのため,検事は,被告人が有罪であることを立証するため,捜査で集めた証拠の中で,どれが適切な証拠なのか,誰に裁判に出てもらって証言してもらうのがいいのかということを吟味します。
 事件の被害者にとっては,犯人が起訴されただけでは何の意味もなく,裁判で適切な判決を得ることで,初めて多少なりとも事件との区切りをつけることができるのです。
 その意味でも,検事は,被害者の想いに報いる責任をも負っているのです。
 このように,検事は刑事事件の全ての段階において,責任ある立場として主体的に活動しており,それが検事という仕事のやりがいであると感じています。
 この記事をご覧になって,少しでも検察庁に興味を持って頂ければ幸いです。
 皆様と一緒に仕事ができる日が来ることを心待ちにしております。

                                                                   検事(男性)

副検事について

(1)私は,任官5年目の副検事です。
 副検事とは,検察事務官等として一定の経験を積み,内部試験である副検事選考試験に合格すれば,司法試験に合格しなくてもなれる検察官です。そして,その職務内容は,基本的に検事と同じで,事件関係者の取調べなどの捜査を行い,罪を犯したとされる人の処分を決めたり,罪を犯したとされる人の刑罰を裁判官に決めてもらうために,裁判の中で意見を述べたりすることです。
(2)私は,学生時代に裁判を傍聴して検事に憧れを抱き,また,テレビドラマの影響もあって,漠然と検事になりたいと思うようになりました。しかし,検事になるためには,超難関試験と言われている「司法試験」という大きな壁があり,当時の私は,その壁を乗り越える実力も自信もなく,結局,就職して社会人になりました。
 しかし,私が就職した職場の隣には,偶然,裁判所があり,その前を通る度に,「検事になりたい」という思いが沸き上がり,働きながら細々と司法試験の勉強を続けていました。そのような中,検察事務官として検察庁に就職した友人から,司法試験に合格しなくても検察事務官からなれる副検事の存在を聞き,司法試験を乗り越える自信のなかった私は,副検事を目指して検察事務官に転職することを決意し,平成16年4月に岡山地検に採用されました。
 岡山地検での私は,採用2年目からの5年間を,検察官とペアで仕事をする立会事務官として勤務したのですが,その際,検事や副検事の仕事を目の当たりにし,漠然と抱いていた「検事になりたい」という思いが,どんどん明確な目標に変わっていき,副検事選考試験に合格し,平成26年4月に,念願の副検事になることができました。
(3)副検事になってからの私は,自分の判断が,事件関係者の人生に多大な影響を与えるものであることから,その責任の重さに押しつぶされそうになることが多々あります。しかし,私の隣には,パートナーである立会事務官がいます。また,周りにはいつでも相談に乗ってくれる上司,先輩,同僚の検察官や検察事務官,さらには同じ目標に向かって連携して捜査をする警察等の捜査関係者もいます。私は,責任の重さに押しつぶされそうになりながらも,周りの仲間に支えてもらいながら,やりがいを感じる充実した毎日を送っています。
(4)私は,副検事は,検察事務官等としての経験を積んでからなれる魅力的な職業だと思います。
 副検事は,確かに司法試験に合格していないことから,司法試験に合格している裁判官,弁護士,検事と一緒に仕事をする際などには,知識面での力不足を感じる場面もあるかもしれません。しかし,それは,自分の努力次第で,ある程度克服できるはずです。私自身も,知識面での力不足を感じることもありますが,とにかく知識の習得に努めていますし,周りの仲間のサポートを受けながら職務に取り組み,検察官としての役割を果たすことができています。
 一方,副検事には,副検事ならではの強みもあります。副検事は,検察事務官等の経験を積んでからなるため,副検事になる前に,警察等の捜査機関と連携して多様な捜査を経験できたり,検察庁等の事務に精通することもできます。例えば,交通関係事件の捜査など,副検事の方が検事より大きな役割を果たしている分野もあります。また,副検事は定期的に全国異動をする検事とは異なり,異動が少なく地元密着の検察官であることから,地元の警察等の捜査機関はもとより福祉施設等関係機関と緊密な協力関係を築くこともできます。そして,何より,副検事になる前に多くの検察官の姿を生で目にすることができ,技術面はもとより,精神面,人間性など多くのことを学ぶことができます。ですから,自分の努力次第で,視野の広い検察官になることができるという強みがあると思います。
 副検事もそれぞれ独立した検察官であり,捜査や公判などの検察権限を独立して行使するという点では検事と全く同様です。ですから,私は,日々検察官としての誇りを胸に抱きつつ,明るく前向きに自分の職務に取り組むことができています。
 副検事という存在を知らない方もたくさんいると思いますが,是非,副検事という存在を知って興味を持っていただき,いつの日か同じ志を持つ副検事仲間が多数誕生することを願っています。

副検事(男性)
 

立会事務官の仕事について

 私は,岡山地方検察庁に検察事務官として採用されて4年目で,立会事務官の仕事は2年目になります。
 「検察事務官って何?」,「検察官とは違うの?」と疑問を持つ方もいるのではないかと思います。検察官は,法曹三者の一角であり,検察事務官は,その検察官を補佐する役割をしていて,テレビドラマの「HERO」では,久利生検事と雨宮事務官という検察官と立会事務官の活躍が描かれていました。私も,「HERO」を見て,検察庁に興味を持った1人です。
 私は,刑事裁判を担当する公判事務には携わっていないため,捜査がメインの仕事です。刑事事件について,検察官が起訴,不起訴といった処分を行うためのサポートをすることが立会事務官の重要な役割で,事件記録を読んで事件の概要を把握した上で,検察官と一緒に捜査を行います。
 例えば,被疑者の取調べを行ったり,被害者の方の対応を行ったり,必要な証拠を集めたり,事件処理の準備等を行ったりします。そのほかにも,捜査を担当している警察等のほか,市町村や保護観察所などの関係機関と連携を取ることもあります。関係機関と連絡を取り合ってお互いの事務を円滑に進めることができるように調整することも,立会事務官の大切な仕事です。
 また,事件によっては,現場の状況を確認するために足を運んだり,関係者の話を直接聞くために出張をすることもあります。関係機関とのやりとりや関係者の対応を行い,検察官とともにあらゆる捜査を遂げた上で,事件の処分方針が決まった時には,達成感を得ることができます。
 しかし,私の知識不足や経験不足もあって,どうしたらいいのか対応に困るときもあります。そのようなときには,検察官や先輩事務官に質問をすると,丁寧に説明してくれますし,その他の周りの人達もサポートをしてくれます。
 取調べにおいては,被疑者や被害者の方から直接話を聞いて供述調書を作成するのですが,立会事務官が行うパソコンへのタイピングには,速さだけでなく正確性も求められ,立会事務官2年目の現在でもタイピング練習をしています。
 立会事務官の仕事は,簡単ではありませんが,様々な部署,検察庁内部にとどまらない関係機関と関わるものであり,やりがいを感じることができ,貴重な経験をすることができます。また,検察庁での処分が事件関係者の人生を左右しかねないということにも強い責任感を感じています。
 この記事を書きながら、これまでの出来事を思い返し,私は,まだまだ未経験の事務が多いので,様々な事務を経験していきたいと思っています。
 この記事を読んで,検察庁や立会事務官の仕事に興味を持っていただければ幸いです。

検察事務官(男性)

検察官のパートナーとして

 私は,検察庁に採用されて10年目の検察事務官で,現在は,立会事務官として仕事をしています。
 立会事務官の仕事は,簡単に言うと,「検察官が行う捜査や公判の仕事をサポートすること。」です。
 担当する事件内容の把握,事件関係者の呼出しなど取調べの準備,捜査を遂げた事件の処分手続などの事務的なものから,検察官と一緒に捜査をすることもあり,仕事の内容は様々です。どの仕事においても,警察や裁判所,事件関係者との連絡や調整は欠かせないので,捜査やその後の処分手続がスムーズに進むように調整を行うことも立会事務官の重要な仕事です。
 特に,検察事務官は,全国転勤の多い検察官と比べて異動が少なく地元出身者も多いため,土地勘があることや方言が理解できることを生かして事件関係者などと話ができるので,それが立会事務官だからこそできる仕事でもあります。
 また,一つの事件について,検察官と立会事務官で一緒に捜査をしていても,当然違う視点を持っていますし,疑問に思う点も違います。検察官と一緒に事件を捜査する中で,検察官に対して,自分が気付いたことや疑問に思ったことを伝えるのも立会事務官の役割の一つだと思いますし,それが事件の適切な処分につながることもあります。そのようにして一つの事件が適切に処分されると,「検察官と一緒に捜査をしている。微力ながらも捜査の役に立っている。」という実感が沸くとともに,とてもやりがいを感じます。
 私は,今までに4人の検察官の立会事務官をしましたが,どの検察官も,私が事件について疑問に思ったことは,どんな些細なことでも耳を傾けてくれました。検察官は法律の専門家なので,最初は,検察官にこんなこと言っていいのかなと不安に思っていましたが,検察官の方から「これどう思う?」などと,捜査の方法や事件の処分に対する意見を尋ねてくれるので,自分の思ったことを伝えることができる関係を築くことができています。
 検察事務官として働いて10年目,立会事務官4年目となり,今でこそ,日常業務をある程度こなせるようになってきましたが,立会事務官になった当初は,何をしていいのか分からず,戸惑うことばかりでしたし,現在でも,日々,新しいことを目にし,その度に勉強を重ねたり,周りに聞いて回ったりしています。
 私自身,採用された当初,法律知識は全くありませんでしたが,周りには,検察官はもちろんのこと,頼りになる上司や同僚の検察事務官がいますので,アドバイスをもらったり,未経験の事務や分からないことを教えてもらいながら仕事をしています。
 検察官も検察事務官も,事件の真相を明らかにして,適正な刑罰を実現したいという目的は同じですので,その目的に向かって日々仕事をする,とてもチームワークの良い職場だと思います。
 この記事を読んで,検察庁に興味を持っていただければ幸いです。

検察事務官(女性)

事件・令状,証拠品事務について

 岡山地検には,本庁以外にも倉敷や津山に支部があります。
 倉敷支部は,倉敷市や総社市等で起きた刑事事件を主に取り扱っており,職員は検察官も含めて約30名でそれほど多くないこともあり,誰かの指示がなくても自然と職員同士がお互いに助け合って事務を行えるアットホームな職場です。私は,現在,その倉敷支部で事件・令状,証拠品事務を担当しています。
 まず,各事務の内容を簡単に説明します(文章だけではよく分からない!というのが実際のところだと思いますが・・・)。
 事件・令状事務のうちの事件事務は,警察等が捜査した事件が検察庁に送られてきたとき,その事件記録の内容を確認して受理手続を行い,検察庁での捜査を終えて検察官が起訴あるいは不起訴にするときも,事件記録の内容を確認して処理の手続を行う事務です。また,令状事務は,被疑者の身柄が拘束(逮捕など)された事件について,逮捕手続等を確認したり,拘束される期間はいつまでかなどを間違いがないよう把握しています。
 次に,証拠品事務は,その名のとおり証拠品の管理等を行う事務であり,警察等が押収した証拠品の受入・保管をし,事件が終結して,証拠品を保管しておく必要がなくなれば,所有者等に還付するなどの処分を行う事務です。
 私は,毎日警察等から送られてくる多くの事件記録を検察官よりも先に確認することになります。ですので,ニュースで報道されるような社会的に注目を集める事件記録も,私が一番最初に確認することになるので,そのような事件記録が実際に目の前にあると思うと,責任感で身の引き締まる思いがします。
 検察庁には,私が紹介した内容以外にも様々な仕事がありますが,職務の特殊性から,検察庁の職員でなければ経験できないことがたくさんあります。
 検察庁の名前だけは知っているけれど何をしているか分からないという方は,もし,検察庁に興味を持っていただければ業務説明会への参加や庁舎見学などしてみてはいかがでしょうか。

倉敷支部・検務専門官(男性) 

岡山地方検察庁 管内検察庁の所在地・交通アクセス
〒700-0807 岡山市北区南方1丁目8番1号
電話:086-224-5651(代表)