職員からの一言(平成27年度分)

最終更新日:2016年3月29日

高松地方検察庁の職員が,交代で毎月「ひとこと」をお届けします。
このページは平成27年度の記事です。
今年度の記事は「職員からの一言」をご覧ください。

助けてー,ドラえもーん。~平成28年3月

 「助けてー,ドラえもーん。」,アニメ「ドラえもん」の中で毎週のように出てくるのび太くんの台詞です。
 検察官も,ドラえもんに助けてもらいたくなることがよくあります。
 検察官の主な仕事は「捜査」と「公判」です。
 そのうち,「捜査」は,ご存じのとおり,警察官などと協力しながら犯罪の証拠を集め,誰が犯人なのか,犯人はどんな理由でどんなふうに犯罪を犯したかという「真実」を突き止めていく仕事です。
 しかし,真実を突き止めることは簡単ではありません。
 たとえば,事件に何人かの目撃者がいるときに,どの目撃者も同じ事件を見ていたはずなのに,ある目撃者は「犯人は被害者を10回くらい殴ってた。」と話し,別の目撃者は「犯人が殴ったのは1回だけだった。」などと話すということがあり,「本当は何回殴ったんだ。」と悩むことがあります。
 過去には,被疑者(検察官が犯人として疑っている人)が犯行を否認している殺人事件の捜査中に,「本当にこの人が犯人なんだろうか。」と悩み,夜眠っているときに,被疑者以外の人が現れて被害者を殺害する夢を見て,汗びっしょりで目が覚めたということもあります。
 そんなとき,のび太くんがうらやましくて仕方ありません。
 タイムマシーンさえあれば,簡単に真実がわかるのです。
 でも,残念ながら,ドラえもんが検察官の前に現れてくれたことはありません。ドラえもんに体格が似てる仲間の検察官が相談に乗ってくれたことならありますが…。
 ということで,タイムマシーンなどのドラえもんの道具を捜査に使うことはできません。
 しかし,捜査に関わる警察官や検察官にも,過去の真実を知るための道具があります。
 たとえばそれは,お店に設置された防犯用のカメラだったり,事件現場に残されたたばこの吸い殻に付いている唾液であったりします。
 私は,いろんな所に散らばっている「道具」を苦労して探して手に入れ,過去の真実を見極めることが,捜査の一番の苦労であり,同時に一番の楽しさでもあると思っています。
 なので,この記事をご覧になっている皆さんには,事件のニュースなどを見るときに,「警察官や検察官はこの証拠をどうやって手に入れたんだろうか。」と興味を持っていただければうれしいなあと思っています。
 あっ,将来タイムマシーンを発明した人が,「この記事を読んで,タイムマシーンを発明しようと思った。」と言ってくれる方がもっとうれしいかもしれません。
 

(検察官)

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未来の後輩に向けて~平成28年2月

 あなたは,今,どのような理由で,このページを見ていますか?
 私が初めて当ホームページにアクセスしたのは,「検察庁で働きたい!」と思い始めた大学3年の頃でした。当時の私と同じように,検察庁の仕事に興味を持ち,今,このページを見ている方もいるのではないかと思います。そして,当時の私は,「検察庁の仕事は魅力的だなあ。でも,私は法学部じゃないし,法律の仕事は難しそうだなあ・・・。」と,検察庁の一員として刑事事件に携わりたいと思う一方,それまで法律の勉強をしたことのなかった私は,検察庁で働くことは私には無理なんじゃないかと感じていたのを今でもよく覚えています。
 しかし,実際に検察庁で働いてみると,仕事については,先輩や上司が親身になって教えてくれましたし,法律についても,検察庁では研修制度がしっかりと確立しているので,採用前に抱いていたような不安を感じることはありませんでした。
 私は,検察事務官になって4年目ですが,これまでに,2度,検察事務官として長期の研修に参加しました。
 1度目は,1年目に,約1か月間,広島市内での研修に参加しました。
 この研修は,各高検管内(例えば,高松高検管内は,四国4県)ごとに検察事務官が集まって実施されるものですが,高松高検管内は研修員の人数が比較的小規模なため,広島高検管内(中国地方5県)及び福岡高検管内(九州・沖縄地方8県)と合同で実施されました。
 2度目は,今年度の10月から,約1か月間,仙台市内での研修に参加しました。この研修は,札幌高検管内(北海道)及び仙台高検管内(東北地方6県)と合同で実施され,さらに,検察事務官だけでなく,他機関の職員も参加するものでした。これらの研修では,検察庁で働くために必要なことを習得するだけにとどまらず,全国各地の同期と出会い,同期とともに勉学に励みながら親交を深め,充実した研修期間を過ごすことができました。
 このように,検察庁では,日々の仕事や研修を通じて,仕事に必要なことを習得することができるのはもちろん,先輩や同期との繋がりを深めることもできるのです。
 今,検察庁に興味を持っているあなた,検察庁の一員として,私たちと一緒に働きませんか?法学部でなくても,法律に自信がなくても,大丈夫です。あなたと一緒に働く日を楽しみにしています。

(検察事務官)

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検事の仕事ー転勤族はつらい?ー~平成28年1月

 みなさんは,「検事」が全部で何人くらいいるかご存じですか。
 実は,検事は,1800人程度の数しかいません。
 では,これだけの人数の検事が,どこで仕事をしているかというと,主に,各都道府県に置かれた地方検察庁,全国8か所に置かれた高等検察庁,東京に置かれた最高検察庁であり,また,検察庁以外でも,法務省,その他の省庁,海外の日本大使館,あるいは弁護士事務所や民間企業であったりと,その勤務地は様々です。
 そして,検事は,おおむね2年単位で勤務地が変わります。私は,検事になってもうすぐ9年になりますが,これまで,関東地方,東北地方,関西地方,中部地方での勤務経験があり,平成27年4月から,この高松地方検察庁で勤務するようになりました。
 このように検事は,全国を回ることが多く,比較的短期間のうちに,引っ越しを繰り返さなければなりません。
 このように書くと,「検事って大変だなあ。」と思われるかもしれませんが,反面,検事は,勤務地となった様々な地域と関わりを持つことができ,それぞれの地域の人情,名産,景勝に触れることができるわけです。
 もちろん,検事の仕事は,犯罪と向き合う仕事で,重い責任が伴うものですし,勤務が深夜まで及ぶこともあります。
 しかし,その仕事の合間をぬって,それぞれの地域を観光したりして,その地域のことをより深く知ることができるのも,検事ならではのことだと思います。
 私は,香川県に来る前は,岐阜県で勤務していました。みなさんは,「ギフ」と聞いても,今ひとつピンと来ないと思います。私も,岐阜県に行く前は,そうでした。
 しかし,実際に岐阜県に行ってみると,「下呂温泉」「奥飛騨」「長良川の鵜飼い」など,様々な特色があることが分かりますし,岐阜県はいわゆる名古屋圏に属し,「モーニング」といった独特の食文化が発達していることも分かります。
 私が香川県に来て,もうすぐ1年が経とうとしていますが,香川県にいる間に,「うどん県。それだけじゃない香川県」のキャッチコピーよろしく,瀬戸内海などの美しい自然と温暖な気候に恵まれた香川県をできるだけ満喫したいと思っています。
 

(検察官)

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伝えたいこと~平成27年12月

 私が,検察庁を志望したのは,「検察の理念」に感銘を受けたからです。
 私は,子供の頃から,2時間ものの刑事ドラマを見るのが好きでした。その中では,犯罪が起きた時に,捜査を行い,真犯人を見つけ捕まえるために活動している「警察」と,その犯人を取り調べ,裁判の中で,真実を追求し,刑罰を科すために活動している「検察」がいつも大活躍していました。子供心に,警察や検察といった組織をすごくかっこいいと思っていましたし,そういったドラマを見るうちに犯人を許せないという正義感も芽生えるようになりました。ドラマの中では,どういった行為が犯罪になるか,犯罪者にはどういった刑を科すべきか,ということで法律が頻繁に出てきていました。
 学生になった私は,法律についてもっと知りたい,学びたいと思い,進路大学は法学部を選びました。大学で法律を学ぶうちに,法律を学問として学ぶだけにとどまらず,身につけた法律に基づいて仕事がしたいと思うようになりました。自分の将来の道を決めるにあたり,検察庁が掲げる10の「検察の理念」に触れる機会があり,「検察庁は,真犯人でない者を罰することがないように事案の真相を解明し,また事案に応じた相応の刑罰を実現することを目指している」ということを知りました。
 「真実を追求しようとする姿勢」と被害者の感情に流されて重い刑罰を求めるのではなく「法令を適正に適用実現しようとする姿勢」に惹かれたことが,私が検察庁で働きたいと強く思うようになった理由です。
 そして,私は,今年の4月に高松地方検察庁に採用になり,警察等が捜査を遂げた刑事事件の捜査記録の受理や検察庁の事件の処理手続を担当する部署に配属になりました。
 検察庁に対して淡い憧れを抱いていたあの頃の私にもし会えたら,検察庁職員のひとりとして検察庁の目指す理念を達成しようと検察事務官としての道を歩みはじめたことを,そして未来の私に会えたら,これからも誇りをもって己の仕事に取り組む日々を過ごしてゆきたいと思っていることを伝えたいです。

(検察事務官)

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検察官のランチタイム事情~平成27年11月

 今回は,検察官のランチタイム事情がテーマです。
 高松地検の昼休みは,基本的に午後0時から午後1時までの間となっているので,検事や検察事務官は,この間に昼食をとっています。
 同じ職場の人たちは,地下の食堂に行く人,職場から弁当を注文する人,愛妻弁当を持ってくる人,近場の飲食店で食べる人,(忙しくて食べることができない人)など,人によって様々です。私はというと,愛妻弁当を食べたい気持ちは山々なのですが,残念ながら相手がいませんので,立会事務官と一緒に近場の飲食店で食べることが多いです。
 検事は大体2年間で転勤となりますが,高松地検の検察事務官は長く香川に住んでいる人が多く,地元のお店のことは検事よりもよく知っています。ですので,転勤当初は検察事務官からおいしいお店,おすすめのお店などを教えてもらって,だんだんと自分好みのお店を開拓していきました。
 このほかにも,遠方へ出張に行くときにタイミングが合えば,現地の名物を食べることもあります。皆さんの中には,「検事って,書類を読んで取調室と裁判所を行き来しているんでしょ。」というイメージをお持ちの方もいるかもしれません(少なくとも私は司法修習をするまではそうでした。)が,実は,犯行現場を見に行ったり,医師などの専門家に話を聞きに行ったり,遠方にいる事件関係者に話を聞きに行ったりと,意外と出張の多い仕事です。食を通してその地域の風土や文化を知ることができますし,その話題でコミュニケーションを取ってスムーズに取調べを行うことも期待できますから,その土地の名物を食べない手はないと言えます。
 話がそれてきましたが,私が高松に赴任してきて,一番衝撃を受けたのはやはり讃岐うどんです。速い安い美味いの三拍子をそろえた讃岐うどんは国民食としてもっと普及すべきだと思ってやみません。
 高松地検の近場にも,まだまだ行ったことのないうどん店がたくさんあるので,これからもどんどん開拓していこうと思っています。

(検察官)

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これから就職されるみなさんへ~平成27年10月

 「駕籠(かご)に乗る人,担ぐ人,そのまた草鞋(わらじ)を作る人」という言葉をご存じでしょうか。
  (1) 様々な職業があり,その境遇に差がある。
  (2) 様々な職業の人と人とがうまくつながっている。
という意味のたとえに遣われているようです。
 検察事務官となり,早いもので30年以上経ってしまいました。社会人のひとりとして,この言葉に思うことを,検察庁に限らず,これから就職し社会に出られる方に聴いていただければ幸いです。
(1)の意味から思うこと
 若い頃は,人気のある職業,儲かっている職業についつい目移りするものです。思っていた仕事内容と違ったりして,自分の将来に不安を抱くこともあるでしょう。しかし,世の中が見えてくるにつれ,どんな職業にもそれなりの苦労,厳しさがあることが分かってきます。また,誰もが社会の一員として関わっていることが実感できれば,自分はこの仕事でがんばってやっていくしかない(実際は,この仕事での生計を考えるだけで精一杯かもしれませんが)とやる気も高まってくるでしょう。そのためにも,「早く自分もあんなふうになりたい」と目標にできる先輩を見つけて,いろいろと教えてもらい,自分がやっている仕事の魅力や進むべき方向を見つけるきっかけにしてください。
 そして,自分の仕事をやり遂げるために(できれば楽しくやっていくためにも)どうすべきかを考えましょう。駕籠を担ぐ人は「より快適に駕籠に乗ってもらう(より儲ける)にはどうしたらいいか」,草鞋を作る人は「より良い草鞋(より売れる草鞋)を作るにはどうしたらいいか」などといったことを意識するようになれればいいですね。
(2)の意味から思うこと
 駕籠に乗る人,担ぐ人,草鞋を作る人それぞれが,相手の気持ちや考えを理解することでお互いの仕事がうまくかみ合い,良い仕事ができるということでしょうか。
 これは,組織にも当てはまり,同じ方向(目標)に向かって進む共同体である組織が円滑に運営するためには,普段からコミュニケーションを活かし,情報の共有,意思の疎通を図って職場環境を良好にしておかなければなりません。
 当然,一方通行のコミュニケーションではだめです。相手の話をよく聴いて,自分の言いたいこと,尋ねたいこともどんどん発信すべきです。「最近の若い人は,控えめで,こちらが尋ねるまでは話しかけてこない。」と言われるようですが,遠慮や気兼ねしていては何も始まりません。若い人のほうが新しい情報やツールを持っていることに自信を持って,物怖じせずにやってみましょう。健闘を祈ります。

 検察庁は,モノを作ったり,モノを使って作業する職場とは違い,職員自身の働きがものをいう,「人の力」が不可欠な組織です(そのため,職員のことを「人材」と言わず「人財」と言う方もいます。)。これからも高松地方検察庁が働きやすい,より良質な職場であるよう私も関わっていきたいと思います。もし,ご縁があれば一緒に働きましょう。

 

(検察事務官)

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検事の仕事あれこれ~平成27年9月

 みなさんは,検事の仕事にどのようなイメージを持っていますか。
 私は,検事になって7年になりますが,これまで,事件を起こした人に,「あなたには黙秘権があります。」と言って取調べをしたり,事件の被害に遭った人や事件を目撃した人から話を聞いたり,裁判所の法廷に立って,被告人に「懲役○年を求刑します。」と言ったりする仕事を担当してきました。検事の仕事の多くは,このように,事件の捜査をしたり裁判所の法廷に立ったりすることです。
 ところが,検事の仕事は,それだけではありません。検察庁ではなく法務省で働いている検事もいれば,他省庁や民間企業に出向している検事,弁護士事務所で働いている検事,海外の日本大使館で働いている検事,発展途上国で新しい法律を作る仕事を担当している検事もいます。
 私は,今は高松地方検察庁で捜査や裁判を担当していますが,今年の夏までの半年間,フランスに滞在していました。フランス人のように(?)仕事を休んでバカンスを取っていたわけではありません。フランスの捜査手法について調査研究をするため,パリに滞在していました。
 それまで海外生活の経験はなく,言葉もできませんでしたが,ある朝,上司に呼ばれて,「フランス語を勉強してくれるか。」と言われ,仕事の合間を縫って語学学校に通い,試験を受け,ひとり,フランスに旅立ちました。
 フランスでは,国立の法曹教育機関で講義を受け,裁判所や検事局(日本の検察庁),警察署などで,実際の捜査を見せてもらい,取調べに立ち会い,捜査書類を読み,裁判を傍聴しました。フランスと日本の裁判制度は全く違っていて,驚くことばかりでしたが,犯罪が起きたときに警察や検事が行う捜査の基本は,どこも共通で,多くのことを学びました。休みの日には,パリ市内を観光したり,バスや電車で遠出をして世界遺産を見て回ったりもしました。
 新しい法律を作ったり今ある法律を変えたりするための準備は,法務省で働く検事の仕事のひとつです。新しい制度を作るときに,すでにそのような制度を導入している外国の例を参考にすることがあるため,実際に海外に行って外国の制度を調査研究してくるということも行っています。
 検事の仕事に興味があるという方,実は,検事はいろいろなところで仕事をしていますので,検察庁や裁判所の法廷以外のところで働く検事を探してみるのも面白いかもしれません。

(検察官)

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検察広報官って?検察庁へどうぞ!~平成27年8月

 みなさん,検察庁をご存知ですか?
 大多数の方は,一生の間に検察庁に来られることはないのではないでしょうか。裁判所がどこにあるかご存知の方でも,検察庁がどこにあるか知らないと言われる方が多いのでは・・・。
 『検察庁』と耳にすると,何だか堅くて怖いというイメージがありませんか?でも,決してそんなことはないですよ。今年の4月からこのホームページで掲載が始まりました本コーナーをご覧になっていただければお分かりのとおり,検察庁で仕事をしている検察官も検察事務官もみんな普通の人です。普通の人が,真面目に仕事に励んでいるところが検察庁です。決して怖くはありませんよ。
 私は,昨年の4月から高松地方検察庁で,検察庁の様々な広報活動を担当する検察広報官という仕事をしています。平成元年4月に検察事務官として検察庁で仕事をするようになってから,若い頃には現在上映中の映画「HERO」の北川景子さんのように検察官と一緒に捜査や公判(刑事裁判)を担当していましたが,現在は,畑違いというか,検察庁にそんな仕事があるの(?)と思われるような仕事=広報に日々追われています。
 広報官といえば,少し前にNHKで「64」という,とある県警本部の広報官を主人公としたテレビドラマが放送されていましたので,ご覧になった方もおられるのではないでしょうか。私も,ドラマの広報官と同じようにマスコミとのやり取りを担当しています(ちなみに,検察庁でのマスコミ対応は,起訴の処分発表が主なものです。)。そのほかに,検察庁を広く一般の皆様に理解していただくため,各種の広報活動や法教育にも取り組んでいます。ご依頼を受けて,中学生等による職場体験学習や各種団体等での業務説明-検察庁・検察官がどんなことをしているのか仕事や役割の説明-をしたりしています。
 このように,検察広報官は,広く一般の皆様方に検察庁がどんなところかできるだけ分かりやすく説明などする広報活動や,マスコミ対応を担当しています。
 検察庁のことがお知りになりたい方は,遠慮なさらずに検察広報官までご連絡ください。また,ご要望に応じまして,こちらからご希望の場所・集まりなどへ出向いて説明もいたします。
 お気軽にご連絡いただき,お気軽に検察庁へどうぞ!

(検察事務官)

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検事と裁判員裁判~平成27年7月

 私は,高松地方検察庁の検事です。
 皆さんは,「けんじ」と聞いて何を思い浮かべますか。
 おそらく,誰?となるでしょう。
 そうです,検事というのは,音で聞いてもピンと来ません。
 まるで,人の名前のようで聞き慣れず,実際,名前が「けんじ」のけんじ検事もいます。
 ところで,検事は,平成21年5月から,皆さんと接する機会が増えました。
 逮捕されてお会いする人が増えたのではありません。
 裁判員裁判という制度が始まったからです。
 検事は,この裁判員裁判で,法律の専門家でない皆さんにも「分かりやすい立証」とは何かという課題をもらい,試行錯誤を繰り返しています。
 あるときは,「分かりやすい」かと思ったら,「詳しすぎた」ことがありました。
 別のときは,「シンプルに」と思ったら,「分かりにくかった」こともありました。
 この課題には答えなどありません。
 このぼやきから,皆さんに分かってもらいたいことがあります。
 それは,検事って,天才でもスーパーマンでもなく,ごく普通の人間だということです。
 検事は,法律の文章は書きますが,作家でもクリエーターでもないので,美しい文章や素晴らしい映像のプレゼンテーションなどはできません。
 ですから,分かりやすい立証についても,ひたすら自分ができる範囲でない知恵を振り絞り,遅い時間まで泥臭く工夫を重ねるのみです。
 その結果,うまくいくこともあれば,大いに反省するときもあります。
 検事は,裁判員の皆さんと同様に,裁判に対し,日々とても苦心しているのです。
 ですから,もし皆さんの中に「裁判員なんて興味ない」という方がいらしたら,検事がどんな工夫をしているのか,一丁見てやろうくらいに思ってはどうですか。
 きっと,裁判を通じて,検事が,皆さんと同じ感覚や考えを持ちながら,真面目に仕事に励む凡人だと気付き,もっと検事を身近な存在に感じられるのではないでしょうか。
 こんな苦労人で普通の人,検事に会ってみたいなと思われた方,ぜひ裁判員裁判の法廷などでお会いしましょう。

(検察官)

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○○に影響されました!~平成27年6月

 私が検察庁で働きたいと思った理由の一つに,あるものの影響がありました。それは皆さんがご存じの「HERO」でした。
 それがいつ頃のことだったかははっきりしませんが,内容はよく覚えていますし,そのときに「検察官ってかっこいい」と感じたことも覚えています。当然,ドラマの世界の話ですから,実際の様子とは違うところがたくさんあるのだろうとは分かっていましたが,その中で描かれていた,事件一つ一つに真剣に向き合う検察官の姿に興味をひかれたのだと思います。
 私が就職先を考えるときには,どうしようかと色々な仕事を考えました。でも,そのときにやっぱり頭に浮かんだのは昔自分が感じていたことで,検察庁はどうだろうかと考えるようになりました。そして,検察事務官であれば,自分が興味を持ち続けて仕事を出来るのではないかと思ったこともあって,検察事務官を志望することにしました。
 今,私は採用されて2年目となり,この4月からは立会事務官として仕事をしています。立会事務官と言われてもピンとこないと思いますが,簡単に言えば,検察官とペアになって事件の捜査をしたり,裁判の準備をしたりしています。もちろん,私が以前まで抱いていたイメージとは異なる部分は色々ありますし,仕事で難しいと感じることはよくあります。それでも,私は,今担当していることは検察庁の中でも中心的な部分であることは間違いないと思っていますし,私が興味をひかれた検察官の仕事に一番近いところで仕事をしていることもあって,仕事にやりがいを感じながら過ごすことが出来ています。
 まさか,HEROを見た当時に,自分が「将来検察庁で仕事をしている」なんていうことは想像もしていませんでしたから,正直驚いている自分もいます。ただ,昔自分が抱いていた思いを,ひとつの形として実現できたことは良かったですし,後悔はしないと感じています!
 とは言うものの,私はまだ2年目ですし,これから先が大事ですので,目の前のことに集中しつつ,今後も,最初に抱いた気持ちを忘れずに仕事に取り組んでいきたいです。
 また,HEROは,昨年に新しくドラマが放送されましたし,この夏に映画も公開されるようですので,それを見た人が少しでも検察庁の仕事に興味を持ってもらえたらと思っています!

(検察事務官)

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検察官にとってゴールデン・ウィークは全くゴールドじゃない?~平成27年5月

 今年の4月から高松地検に配属された,任官2年目の検察官です。
 5月のGWは,多くの人にとっては,ありがたい連休だと思います。
 そのGWのおかげで私が悩んだ事件についてお話します。
 
 高松地検着任後まもなく,外国人グループの窃盗事件を担当することになりました。
 誰が見ても,「こんなの全国的,組織的,職業的な犯行で,今回捕まったのは組織の一部の者による犯行の一部に決まってる。」とピンとくるような事件です。
 外国人が日本に来て,犯罪でお金稼ぎをして悠々と帰っていくなど,許していいわけがありません。
 悪行を全部暴いて,犯人達に見合った処罰を与えることはもちろん,組織の人間や,犯罪をこれから行おうと考えている者に,「自分たちのところにも捜査の手が及ぶかもしれない。」「日本で悪いことをしたらこんなに痛い目に遭う。」と思い知らせて,今後の犯行を思いとどまらせなければ,と熱くなります。
 そのためには,被疑者(犯罪を犯したと疑われている人)が何をしたか,捜査を尽くして,証拠を集めて明らかにしていかなければなりません。
 一方,被疑者を身柄拘束できる時間には法律上限りがあります。その期間は,いくら休日が含まれようが変わることはありません。
 そこで,GWの弊害が出てきてしまうのです。
 証拠を集めるために,関係各機関に問い合わせ等を行います。外国人なので,通訳人も必要です。しかし,世間一般は休日なので,問い合わせへの回答が得られませんし,通訳人もお願いできなくなりました。
 そんな事情はお構いなしに,身柄拘束期間は刻々と過ぎてしまいます。
 人の自由を奪ってしまう身柄拘束は,できる限り短くして捜査を遂げなければならないことと,事件の全貌を明らかにしなければならないということとの葛藤が生じます。
 捜査を遂げずに処分(裁判にかけるか否かなど)を決めることはできないので,苦肉の策として,休日がなければ遂げられるはずの期間よりも長く身柄拘束をして,必要な捜査を遂げました。
 一般的には楽しいGWですが(私も,検察官になるまでは楽しみ以外のなにものでもなかったです。),これによって悩まされる立場もあるということを知っていただければと思って紹介した次第です。

(検察官)

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検察官って何?どんなことしているの?~平成27年4月

 木村拓哉主演の人気ドラマが放映されるなどし,以前よりは,検察官の仕事内容を理解していただけるようになったとは思いますが,やはり,一般の方からすると,あまり馴染みのない仕事ですので(あまり馴染みになってはいけません!),同窓会などに顔を出すと,今でも聞かれることがあります。
 検察官の仕事は,主に,「捜査」と「公判」に分けられます。
 捜査とは,被害者や被疑者(犯人であるという容疑がかけられている人のことです。),それに目撃者などから話を聞くなどして,過去のある一時点で何があったのかということを明らかにすることを言います(もちろん,話を聞くだけではなく,木村拓哉扮する久利生検事のように,現場に行き,書類だけでは分からない,現場の空気や距離感などを確かめることもありますし,いわゆる客観的な証拠を集めることにも尽力します。)。過去のある一時点には,検察官である私はいません。ですので,その場に居合わせた人(被害者,被疑者,目撃者)から話を聞いて,どのようなことがあったのかということを聞く必要があるのです。もちろん,皆が同じ話をするわけではありません。違う話をする場合,どうして違う話をするのかということに思いを馳せながら,客観的な証拠と照らし合わせて,真実は何かということを検討します。捜査の結果,被疑者を起訴するか(つまり裁判にかけるか),不起訴にするかを決めます。

 公判とは,裁判のことです。裁判官に対して(裁判員裁判では裁判員に対しても),どのような事件なのかということを,証拠に基づいて,分かりやすく説明するというのが検察官の仕事です。事実に争いがある事件,たとえば,被告人(犯人であるとして起訴されている人のことです。)が,「自分は犯人ではない!」と主張する場合には,被告人が犯人であるということを,証拠に基づいて立証します。目撃者がいる場合には,その人に裁判所まで来てもらって証言をしてもらったり,科学的な証拠(たとえばDNA)がある場合には,それがどのような意味を持つのかということを専門家に裁判所まで来てもらって証言してもらったりします。

 捜査の方が好きだという検察官が多いと言われています(私も,段々と事実が分かっていく捜査の方が好きです。)。

(検察官)

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大阪地検勤務を経験して~平成27年4月

 検察事務官は,基本的に,採用された県内,もしくは高検管内(高松であれば四国内)での異動となります。私は,全国異動の検察官と一緒に仕事をするようになって他地検の話などを聞くうちに,四国以外の地検でも働いてみたい,地元から近くて大規模庁の大阪に行ってみたいと希望するようになりました。そうしたところ,縁あって大阪地検で勤務する経験ができました。
 大阪地検では,刑事部で検察官の立会,特別捜査部で内偵捜査(人捜しや銀行捜査,聞き込みなどの裏付け捜査)やガサと呼ばれる捜索差押え等を経験しました。立会は,皆さんよくご存じのドラマHEROで,久利生検事と一緒に捜査をしていた雨宮事務官や麻木事務官の仕事です。1年目に配属された刑事部は,高松地検全職員数とほぼ同じ約130名の職員がいて,事務が細分化されているため,どこの部署がどの業務を担当しているかも分からず不安もありましたが,基本的な仕事の流れは同じですし,高松勤務経験者や四国出身者,研修同期といったもともとの知り合いや,高松の先輩等から紹介してもらった方々を頼りつつ,周りのメンバーにも恵まれていたので,大阪地検でも楽しく仕事をすることができました。
 仕事以外でも,高松時代に同僚とやっていたフットサルを続けたいと思い,大阪地検サッカー部がやっているフットサルの練習に参加したり,同僚と京都幕末ツアーや城跡巡りに出かけたり,プロ野球やJリーグの観戦に行ったりと週末も大阪生活を満喫しました。
 この4月から高松地検に戻って来ましたが,高松と大阪での勤務を通して,仕事はチームで行うものだと感じています。仕事自体がどんなに忙しくてつらくても,信頼できる仲間たちと一緒に仕事ができれば,後で振り返ったときに明るく笑える話に変わるものです。知り合いが少ない場所で勤務してみて,今まで以上に人と人との出会いやつながりが大切だなと実感しています。今このメンバーで働けるのも何かの縁ですし,これからもこの縁を大切に,みんなで楽しく仕事ができればと思います。

 最後に一言…アットホームな高松地検もツッコミの激しい大阪地検も,両方とも大好きです!

(検察事務官)

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