着任のご挨拶に代えて
4月19日付けで当庁の検事正を拝命し,着任いたしましたので,これからよろしくお願いいたします。
私は,昭和54年4月,当庁に検事一年生として赴任し,今回31年振りに,その振り出しの地に戻ってまいりました。当時も札幌は人口140万人を抱えた東京以北最大の都会であり,意欲的に検事生活を始めたのを覚えております。
現在,札幌は人口も約190万人に増え,都市機能も充実してその発展には目を見張るものがあり,懐かしさと共に大きくなった札幌の安心・安全な街を維持する一翼を担う重責に身を引き締めております。
ところで,昨年度は裁判員裁判元年ということで,札幌のみならず全国的にその裁判の状況が大きく報道されました。いずれも国民の誠実で真摯な協力の下,順調に滑り出しているように思われます。
本年度は,裁判員裁判も厳しい刑を求められる事件や状況証拠等で真相を究明しなければならない事件の公判も見込まれ,いよいよ本格化すると思われますが,多くの裁判員は,検察の立証活動をみて検察制度に関心を寄せていただいているようであり,被告人の量刑を決めるに当たって,行刑の実態も知りたいと思われているように見えます。このような関心の高まりを目の当たりにして検察も裁判員裁判では説明しきれない刑事司法の制度や実態を知っていただかなければならない必要を痛感するようになりました。
検察は今まで,職員一丸となって裁判員裁判の広報活動に力を入れてまいりましたが,捜査・公判の遂行と刑の執行に責任を負う立場として,このノウハウを今後は検察の刑事裁判での役割や立場,矯正の制度や実情についての広報にシフトしていかなければならないと思っています。
国民が安全な地域で安心して生活できる社会を望み,そのために個々の国民が地域で不断の努力をする必要があることを改めて思い起こすために,裁判員裁判は大変有用な制度であり,我々検察もその大切な一助を担っていることを理解していただき,今後も変わらぬ協力をよろしくお願いいたします。 |